日記

ありがとう調布駅 ~地下化前 最期の記録~ (後編)

2013.09.30 10:03

今日の1曲: letter writer / 豊崎愛生

おはようございます。
毎日安定の眠さを誇るXIAORINGです。

いよいよ9月も今日で終わりになってしましました。
今月もまたいつになく忙しく、あっという間に終わってしまいましたねえ…
こんな日々の過ごし方でいいのだろうか…

まあそれはそうと、最近気持ちいいくらいの秋晴れの日が多くていいですね。

すっかり秋って感じですが、夏が終わって秋に移り変わる9月の感じって、とてもいいですよね!
僕は夏も好きですけど、この時期もまたとても好きです。

例えるなら、秋は、1日の中の夕方の時間帯のような、最も熱いピークが過ぎて、穏やかで、彩りと風情のある、そんな時間帯のような、そういうよさがあるなあっと感じてます。

さて今日は、前回の続き。
地下化から1年 (と、日記を書いてない間にプラスもう1ヶ月w) が過ぎた京王線調布駅の、地下化直前のレポートの後編です。

今回は前回の続きですので、前編はこちらからどうぞ。

調布駅地上時代の記録 (後編)

目次
  • 前編 (前回)
    • 調布駅の概要
    • 調布地上駅のホーム構造と配線
    • 1~2番線・下りホーム
    • 3~4番線・上りホーム
    • 改札階、外観
  • 後編 (この日記)
    • 調布駅の魅力「分岐・合流地点」
    • 調布駅の魅力「3番線入線時の信号待ち」
    • 調布駅の魅力「3・4番線の同時入線」
    • 調布駅の魅力「調布1号踏切」
    • 調布駅の魅力「本線上での折り返し」
    • その他 調布地上駅のいろいろ
    • 地下化直前の地上区間の映像

というわけで、前回の続きです。

前編では、各ホームごとや場所ごとに紹介してきましたが、後編である今回は、もう今は見ることができなくなってしまった地上時代の特徴的なシーンを中心に書いてみます。

調布駅の魅力「分岐・合流地点」

今も昔も、調布駅は京王線と京王相模原線の分岐駅という、京王線の交通の要所。
そのどちらも京王線系統の幹線でありながら、平面交差で双方の電車を捌いていたというところが、旧調布駅の魅力の1つでした。

東京西部の例だと小田急線・小田急江ノ島線の相模大野や中央線・青梅線の立川などのように、本数の多い主要路線を分岐する駅は立体交差にした方が交差支障がなくていいのですが、この度の地下化まで調布はずっと平面交差でこなしていました。

上は3・4番線ホームの京王八王子よりの端から分岐地点を見たもの。

右奥に直線で伸びているのが京王線の京王八王子方面、左奥に急カーブして分かれているのが京王相模原線の橋本方面になります。

そして手前側の4本の線路は、左から調布駅の1番線→4番線に入っていきます。
(手前に見えているのは3本ですが、これが2~4番線で、そのさらに左にもう1本あり、それが1番線です。)

続いて下の写真は別の日に撮ったものですが、逆方向を向いて、調布1号踏切から見た調布駅。

手前左側の2本が京王線で、上りは4・3番線に、下りは2・1番線に分岐しています。
そして、右手前から伸びてきている2本が相模原線で、上りは3番線に、下りは1番線につながっています。

京王線・相模原線の各方面への分岐と、調布駅の各ホームへの分岐が合わさって、このような分岐の組み合わせになっていました。

<上り>

 京王線 ―→ 4番線
     \
      ↘
相模原線 ―→ 3番線


<下り>

 京王線 ←― 2番線
     ↖
      \
相模原線 ←― 1番線

2番線から発車する各停 高尾山口行き。
京王線系統は2番線からの発車が基本でした。

1・2番線からの同時発車。
右の8000系は2番線からまっすぐ進んで京王線へ、左の9000系は1番線から左に分岐して相模原線へ入ります。

2番線から発車した京王線方面の電車に乗って、1番線から発車した相模原線方面の電車を撮った、同時発車シーン。
ちなみに、写っているのは偶然にもラッキーセブン編成の先頭車「クハ7777」です!

相模原線方面同士のすれ違い。
1番線から相模原線に出発していく快速 橋本行き (左) と、相模原線から3番線に到着してくる快速 新宿行き (右)

相模原線のこのカーブは、制限40km/hが275mという、京王線屈指の超低速急カーブでした。

今度は上り方面で、都営車の10-300形による相模原線内折り返し各停が3番線に到着してくるところ。

都営線直通は相模原線系統の急行快速が多かったのですが、優等は10両にすることが多かったので、8両が多い都営車は (都営の車両なのに) 都営線直通ではなく線内各停になることも多くありました。

4番線に到着する、京王線からの準特急 新宿行き。
前編でも書きましたが、相模原線からは主本線の3番線にしか入れないため、速い種別である準特急が待避線の4番線に入るという、旧調布駅の特徴的なシーンのひとつです。

調布駅の魅力「3番線入線時の信号待ち」

そしてこの分岐地点の平面交差によって生じていた、調布駅のもうひとつの大きな特徴が、3番線の信号待ち

上のように、相模原線が平面交差で分岐していたため、橋本方面から来た上り電車は、京王八王子方面へ行く下り線を超えて3番線に入ります。

そのため、京王八王子方面への出発と橋本方面からの到着が同時に行えず、2番線から出発する京王八王子方面への下り電車が通り過ぎるまで、橋本方面からの上り電車調布駅手前のカーブで停止して信号待ちをしなくてはならなかったのです。

橋本から上りの電車に乗っていると、いつも当たり前のように調布の手前で停止信号になっていて、相模原線ユーザーにとっては大きな調布名物となっていました。

こちらは2番線から出発していく準特急 京王八王子行き。
ちょうど相模原線から3番線に入ってくる線路との交差地点を通っているところ。
これが通り過ぎるまでは、相模原線からの上り電車は入って来れません。

カーブの途中で信号待ちをしている、相模原線からの急行 新線新宿行き。
下り電車が通り過ぎるまで、この位置で停止していました。

そして下り電車が通り過ぎた後、3番線に入線してきます。
相模原線からは3番線にしか入れませんでした。

別日に撮った、信号待ちで停車中の相模原線上り電車。
カーブの途中にある踏切を完全に塞いだ状態で、堂々と停車する姿は、地上時代の象徴的な光景でした。

地下化した今の調布駅は、下りが地下2階・上りが地下3階と上下に分かれて、立体交差になりました。
そのため、下り電車が通過するのを信号待ちするというこの姿は、もう見れなくなってしまいました

調布駅の魅力「3・4番線の同時入線」

そして、上に関連してもう1つ、これも調布駅の大きな魅力の1つでした。

それが、3・4番線への上り電車の2本同時入線

前編で書いたとおり、京王線と相模原線からの電車が調布で接続するダイヤとなっているので、京王八王子方面から4番線に、橋本方面から3番線に、2本の電車がほとんど同じタイミングで到着するようになっています。

そこでちょうど全く同時に2本の電車が到着すると…

このように、接触すれすれ超ギリギリな間隔併走しながら入線してくるのです!!

最も近い所は、その隙間わずか1メートルもないんじゃないか!?という間隔。 (目測)
ほとんどぶつかりそうなくらいの迫力!!

下の図のように、相模原線からの電車が3番線に入るので、京王線からの電車は左に逸れて4番線に入ります。

そのため、このまま進むと衝突する!?って思ってしまうところを、ぶつかるギリギリ直前でよけて到着…という形で、電車に乗ってて車窓から見てても、非常にスリリングで大迫力のシーンでした。

地下化された現在の調布駅でも、京王線と相模原線が同時入線してくるタイミングは見られますが、地上時代のようにギリギリまで接近することはなくなってしまいました。

今走っている線路と同じ線路に、目の前に横から別の電車が入って来て、その直前で左に避ける…というスタイルの同時入線は、地上時代の調布駅ならではの独特な光景でした。

調布駅の魅力「調布1号踏切」

分岐関連ではさらにもう1つ、調布の名物踏切だったこの踏切。
ちょうど京王線と相模原線の分岐地点にあった、調布1号踏切

京王線の2本と相模原線の2本の、合計4本分の線路を横切る長い踏切でした。

それぞれの方面に絶えず次々と電車がやってきて、ひっきりなしに電車が通る踏切でした。

南側にカーブしながら通っている2本が相模原線。
調布を出発した橋本行きの各停が目の前を通過中。

奥を走る、北側の2本が京王線。
調布を出発した準特急 高尾山口行き。

また下の写真は、別の日ですが、調布1号踏切から下り方面。
左側のカーブしている2本が相模原線・橋本方面で、の直線の2本が京王線・京王八王子方面です。

ちなみに、この踏切の真ん中には、京王の施設への入口もあります。
またよく見ると、京王八王子方面の下り線には、保線車両の留置線の分岐も見えます。

それぞれの方面にかなりの頻度で電車が行き来しているので、けっこうな「開かずの踏切」になっていました。
ひとたび遮断機が下りると、次々と何本も電車がやってきて、京王線、次は相模原線、そうしているうちに今度は反対方向も…というのも、かつては日常的に見られた調布の光景でした。

周辺の踏切とともに、地下化によってこの踏切も長年の役割を終えました

調布駅の魅力「本線上での折り返し」

ここまでは調布駅の西側 (京王八王子方) でしたが、今度は東側 (新宿方) で日常的に見られた光景。

調布止まりの相模原線内折り返し各停が行っていた、本線上での折り返し作業。

橋本方面からやってきた相模原線の調布止まりの各停が、そのまま折り返してまた橋本方面へ行く場合、調布の新宿方にある渡り線を使って下りの線路へ転線していました。

が、ここでの最大のポイントは、調布には折り返しのための引き上げ線がなかったので、本線上に停止して折り返し (エンド交換) をしていたというところ。

下の図のように、3番線に到着した調布止まりの電車は、一旦新宿方面へ進んでから、本線上で向きを変えて1番線に橋本行きとして戻ってきていました。

まずこちら、調布で客扱いを終えた調布止まりの各停が、一旦調布を出発して新宿方面へ進みます。

渡り線を過ぎたこの位置まで来たら、本線上でそのまま一旦停車
エンド交換して方向転換します。

そして下り線に渡って、さらにポイントを渡って1番線に入ってきます。

この間、上下線両方とも支障しているので、他の電車が来るまでの間にこの折り返し作業を終えなくてはいけません。

別の日に撮ったものですが、こちらは調布と布田のちょうど中間、駅も何もないところに突如として立っている停止位置目標
これが、この折り返し作業のために本線上で停止する位置です。

写真は8両用で、調布に近い側から順に6両・8両・10両…と、各編成両数ごとに並んで立っていました。

折り返しで本線上に停車している各停 橋本行き。

右側の上り線にいるので、本来手前に向かって進むべきところを、赤い尾灯が点灯しているので、逆方向に進むというところが、折り返し作業を表す証拠です。

最大のポイントは、この一連の 作業を本線上で行っているという点。

これの何がすごいかというと、(日中だと) 上下それぞれ10分に3本のペースで頻繁に電車が走っている本線上で、他の電車の運行にひっかからない僅かな時間で折り返し作業をしているというところです。

まさに合間を縫う絶妙な折り返し!

ちなみに地下化された現在の調布駅は、上下線で階が違うので、調布で折り返しをすることができなくなってしまいました。
その代替として生まれたのが、つつじヶ丘行き・つつじ折り返しでした。

上り 快速 つつじヶ丘行きとかいう、それってほとんど各停じゃんwwwっていう微妙な列車が生まれたのは、それまでの各停 調布行きの代役をするためだったのです…と思います。

その他 調布地上駅のいろいろ

あとはそのほか調布駅にあったいろいろ。

地上時代の駅名標。

屋根の支柱の部分。
見事にばっさりカットされていました。

柱に取り付けられる縦型の駅名標。
側面の「指示合図?反応灯」は車掌さん用の表示でしょうか。

駅の外に、地下化を今か今かと待ちわびているものが。
まもなく使用開始となる、地下駅への入口。

地下化直前の地上区間の映像

さらに、もう見ることができない地上区間を、映像でもしっかり記録に残しておかないと…!
ということで、ムービーでもいろいろ撮ってきました。

(下り) つつじヶ丘~調布

(下り) 調布~京王稲田堤

(下り) つつじヶ丘~東府中

(上り) 京王稲田堤~調布

(上り) 調布~つつじヶ丘

調布駅西側・定点撮影

こちらはYouTubeにアップしてあります。

今となっては貴重な記録です。

もっと写真いろいろ

ここに載せきれなかった写真も含め、この日に撮ってきた写真は、こちらのページに大量に上げてあります。

ありがとう調布駅 ~地上駅時代 最期の記録~ (写真153枚)
2012年8月19日、京王線・調布駅付近連続立体交差事業に伴い、調布駅は地下駅へ切替が行われて、長年使用された地上駅はその役目を終えました。そこで地下化直前の8月11日と13日に、もう二度と見ることができなくなってしまう調布駅地上駅を記録に残そうと、撮影に行ってきました。

ありがとう 調布地上駅

そんなわけで、前後編の2回に渡って去年の調布駅地下化直前のレポートをお送りしてきました。

新しい地下駅も使用開始から1年と1ヶ月が経ち、新しい駅にもすっかり慣れてきましたが、それでもそれまで何年もずっとよく見てきた駅なので、やっぱり昔の景色も懐かしく思えてきますね…

ありがとう調布駅。

2013年9月30日 (撮影 2012年8月11日、13日、一部5月5日)

タグ 京王 写真 動画

2013-09-30T10:03:03+09:00 | by XIAORING | このエントリーのURL