冬定審査についてのつづき
今日の1曲: Built to Last / Melee
こんばんは。
手足が寒すぎてやる気を奪われつつあるXIAORINGです。
今日はおとといの日記で書いた、11月3日に行われた軽音さんの冬定審査ライブについての続きを、ふたたび長々と書いていこうと思います。
はじめに
- 今日の日記は、11月10日の日記の続きです。
このページにいきなり飛んできたという人は、まず11月10日の日記を読んでからこのページを読まれることをおすすめします。
ただしどちらも長文なのでそれなりに根気がいります。 - 日頃から僕は個人的な日記しか書いてませんが、今日の内容はいつも以上に超個人的でかつマニアックな内容なので、せっかく読んでいただいたのに有益な情報が得られないかもしれませんが、ご了承下さい。
- 冬定審査のスタッフをやって、または今までアドバンでスタッフをやって僕が思ったり感じたりしたことを書いているので、特定の物事や人物に対して正しいとか間違っているとか、そういうことを言っているわけではありません。
- ここで書いていることは、「僕の場合は」とか「アドバンでの場合」「今回のライブでは」といった特定の状況下で考えられることであり、一般的な状況では必ずしも適当ではない可能性があります。
というより、そんなことしないだろ普通って、普通の方なら思うであろう事を平気でやっている可能性がありますが、大目に見てください。
前回冬定審査についていろいろ書いてみたんですが、今日はもっと個人的でコアな話を書いてこうと思います。
アドバンの反省会のための反省文は書きましたが、それとは別に自分自身の音についての反省とか思ったこととか。
まぁ僕がこれだけこの日記を書いたこともあんまりなくて、けっこうこんなこと自分が書いていいのかって感もありますが、この機会に自分が考えてたこととかをここに残しておこうと思って、書いてしまうことにします。
それでは始めたいと思います。
まず自分自身についてのレビューから
今回の自分が担当した外音に関して。
まぁおとといの日記にも書いたとおり、学祭のメンステの外音をやったときは、ほんとにあれは自分の3年間のアドバンの活動の中で一番よかったんですよね音が。
なのでそれに比べてしまったらさすがに機材も違うし、場所とか環境も違うし、「リハもできないくらい時間がない中でどんどん次のバンドになってしかも1バンド1曲しかできない」っていう、1バンドにかけられる時間が圧倒的に短いし、そんないろんな条件が違うので、まぁそんな中でも最善を尽くすのが音響の仕事なのでしょうけど、学祭の時に比べたらいい音にはできてないなってのが第一印象でした。
いやそれでも、いままで何度もやらせてもらった軽音さんのライブの中では、昔に比べたら着実に自分の音は変わってると思いますし、3年間の活動の中ではまともな方に入ると思います。
ちなみに、軽音さんのライブで自分が卓のチーフをやった中で一番自分的に音が良かったと思ってるのは、今年3月の、アドバン追いコンライブのときですね。
あのときは卒業生の先輩方を中心としたバンドメンバーで、ミックスしやすかった記憶があります。
まぁベーアンとかのトラブルはあったんですけど、そういうの抜きにして、純粋に音だけ考えたらっていうことで。
今年になってから、まいたんとかおなじみのメンバーでやるときは、前日の仕込みとかチューニングに結構じっくり時間が取れているので、今回もまぁモニターの方は分かりませんが、ハウスはあんまり時間にあせることなくゆっくりできた感じがしてますが、それでも時間はいっぱいで、まだまだつめたいところはいろいろってかんじでした。
スピーカーセッティングについて
まずシステム的には、スピーカーがもう1対向分とサブウーファーが欲しくなりますね。
今回研A502でやって、研Aは講Dより変な回り込みも少なくて音は作りやすいんですが、これは講Dにも言えることなんですが、奥行きに対して横幅が広いんで、215の1対向でカバーできる範囲には正直言って限界があるんですよね。
今回の所だと両端の1列は思い切ってもうしかたないと思ってあんまり音が行ってないんです。
そっちまでカバーしようとすると真ん中が中抜けしすぎるので、真ん中がもってくれるギリギリのところでやると今回みたいな感じなんですよね。
なのでもう1こ出したいってところがあります。
あと1台のアンプやスピーカーにかかる負荷も分散できますしね。
今回メインアンプは5000で、つまみ4時ぐらいで、ピークがたまにつくのを何とかちょっとに抑えつつやってたので、もう1こスピーカーとアンプが出せれば、1台のアンプの出力を抑えながらこのぐらいの音量だせるし、カバーできる範囲も広くなるので。
ではなんで今回出さなかったのかっていうと、1つは、講Dだとスピーカーを置くのにしか使いようがないっていうような場所があってそこにはまるのですが、研Aではそうでもないっていう、場所的な問題。
いや出そうと思えば出せます。
今回サイドもないし、照明が舞台周りにはありますが、そんなにごちゃごちゃしてなかったので、別にスペースがもうないってわけでもなかったかなと思ってます。
もう1つの理由は、今回アンプが結構不調というか、微妙な感じで、いつもなら1台余っている3500もモニターの方に駆り出されてしまって、まぁまだ2002とか選択肢はあったんですけど、学祭とか何ステージも出るものじゃないのに2002とかまで階段上がって運び出すのもなぁ…と思って出さないことにしてしまったんですよね。
なので、ぜんぜん出そうと思えば出せたんですけど、そこで出さなくしたっていう判断が、後で考えるとどうだったかなって感じが自分ではしてます。
それからやっぱサブウーファーが欲しくなるんですよね。
215とかノーEQでは正直下が乏しいので、EQで上げたりしてるんですけど、まぁEQで上げるのもけっこう無理があるというか、EQだと「一部分の帯域だけ山ができてるだけ」って感じになってしまって、無理に出そうとしてる感がどうしても出てしまって。。
じゃあ上げるなって話ですけど、それでも欲しかったので今回も80から下をけっこう上げてました。
それから今回はいつも研Aでやるときよりスピーカーの台の高さを10cmぐらい高くしたんですけど、それによって下の通り方が前よりも通るようになったなと思いました。
まぁ思えば昔はあの台もなかったんで、音が全部止まっちゃって、とくに下とかひどかったのが、台を買って使ってみたら見違えるように変わって…っていうあの日の感動を久しぶりに思い出したりもするんですが、まぁ今回の高さは今回の高さで悪くなかったかなって感じもしてます。
位置は縦の通路の前の端をふさぐような場所ですけど、これは台が来たころから僕はそうしてるんですけど、席がある場所の目の前だと人に当たって止まっちゃうんで、通路になってて前が開けてて、後まで音が届くようにこの場所に置いてます。
その外側の隣に、15クラスでいいから置いてもよかったなっていう。
今回のチューニングについて
で、さっきも書いたとおり仕込みとかチューニングには、アドバンのイベントにしてはじっくりとれたので (これは学祭の時より時間があった) よかったですが、1つだけものすごく心残りな点があって。。
いつも通りど真ん中の縦1列はがっちりセンターに定位が合うんですけど、そこにだけ125とか160とか、100Hz台がやたらたまるようになってしまってて、スピーカーの振りとかもう少し詰めたら変わったと思うんですけど、それが取りきれず時間になってしまったところが大きな心残りです。
そこの帯域を切っても今度は周りで下が足りなくなってしまうので、まぁ出てる分は切りましたけど、あんまりたくさんは切れなくて、本来一番音がいい場所にするべきところなのに…ってなってしまったところが。
まぁでもそれ以外の帯域は、とくに真ん中から上はけっこう悪くない感じになったと思うんですけどどうでしょう。
研Aはけっこう5kあたりで部屋の残響がけっこうあるみたいで、まぁふつうに大きな声だしたり手を叩いたりしただけでも感じるくらいなんですけど、そことあと315とか800とからへんにピークがあったのでそういうところを削って、あとは、割とよくやるんですけど、5kらへんを落とした分の上の抜けを確保するのに8kとかその周辺をちょっと上げて、まぁこの辺を変えると、さしすせそとかのあのシビリアンスの感じが変わってきて、まぁ僕はちょっとそこがスッと抜けて聞こえるぐらいが好きなんですけど、あと2k~2.5k~3.15kあたりとかそのへんは声の張りとかボーカルを一歩前に出したりとかの定位感とかけっこう変わるので、そこらへんを調節したり…って要はちょっとブーストしたってことですけど、まぁ中から上のほうは今回はそんな感じでした。
僕の場合メインは「声 → CD」でやってるんですが、今回はモニターをまいたんがやってくれたので、モニターが終わったあとに初めて、最初はハウるところを切るところから始めました。
- まずハウリングをGA/58でGainをPadはずして11~12時ぐらいでフェーダーを2~3dBぐらい突いても大丈夫なぐらいになるように切っておきました (マイクなんかはその日メインに使うものに合わせて。今回はGAと58だったのでこのぐらい) 。これでとりあえずハウリングマージンを決めてというか、このぐらいまでならいけるってのを覚えて。
- 次に声で喋りながらそれを聴いてチューニングをして、これでスピーカーの音やVoマイクの音のベースとなる部分を作っちゃうみたいな。
- であとは他の帯域はCD聴きながら作って、あとオケが出てる中に声が入るとどうなるかとかを見て。
- そんで一番最後にモニター込みで調整して終わりにしました。
まぁメインの音はモニターほどハウリングにシビアになってないので、ピークをカットするのは最小限行けるとこまで戻して、声でやるところから後半がメインな感じでやってました。
まぁやっぱり、仕込みがスムーズに終わって、振りとか音量とかそのあとのチューニングにじっくり時間がさけた現場ほど音はよくなってたと思います。
ミキシングについての反省
今回の本番中のオペについて。
まず1つはドラムが遠すぎたと思いました。
あ、もちろん物理的な距離がってのではなくて音像がですけど。
とくにオンマイクをもっと出してもよかったかなと。
キックとかスネアあたりがあんまり出てきてなかったので、そこらへんもっと出してよかったと思いました。
スネアはコンプをもうちょっとThresholdを上げてもよかったかなと。
ドラムに関しては、自分がやったところでもバンドによってマイクの音量のバランスがばらつきが出てしまったので、Gainの設定をしっかり合わせときたかったのがありますが、これに関しては「審査はリハができないので曲の中でどのくらいの強さになるのかが読みづらい」ってところもあって、そこらへんの見極めが今回は甘かったと思ってます。
No More ガンダーラさんの「2番のサビにつながるところでフロアが一発ドン」っていうところが決まったのはよかったと思ってます。
それからベースですけど、上で書いた真ん中の列に100Hz台がはまってしまう一件で、その場所に限りベースはぼわぼわしてしまったと思います。
まぁでも春定のときの反省で「ベースがもっとPA側から出してもよかったかな」というのを個人的に思ってたので、今回はそのときよりは出せてたのではないかと思ってます。
あとこのぐらいの部屋でやるときは、アンプの生音が無視できないくらい影響するので、まぁアンプの出音の時点でいまいちな音は僕の力では直りきんなかったりするんですけど、まぁ上手い人はそれをうまいことやってしまうんでしょうけど、演者さんとのコミュニケーションの部分も含めて。
朝ベーアンをまっすぐ前じゃなくて、若干内側に振って置いたんですけど、それはベーシストにベーアンの音を当てる以外に、外音に聞こえる音の向きも考えてってのもあります。
あとベースに関しては、軽音さんとやる場合は、以前軽音さん側からアンプのヘッドのBalance OutからPAにやって欲しいっていう要望を頂いて、それ以来そうしてることが多いんですけど、まぁベーアンのトラブルもあって、今回途中ベースからDIにやってベーアンにはDIからパラ (普通PAやるときはこっちの方が多いっぽい) をやったところが一部あるんですけど、今回どっちもやる機会があったんで思ったんですけど、PA的にはアンプをかんだ音より、ベースから直でDIに行った音の方がやりやすいなっと思いました。
いつか講Dでやったときからやり始めた、ベーアンをブロックの上に置くのは、ぼわぼわを防止するのに効果があるかなと思ってます。
ベースとキックはどうしても帯域がバッティングしやすいので、そこらへんどっちをどうやってうまくやりくりするかがとても難しいです。
どっちも重要なパートなだけになおさら。
ボーカルとかギターに関しては以前の自分と比べたらしっかり聴こえるようになってきたんじゃないかと思います。
ボーカル・ギター・キーボードのバランスは、メインとなるパートを一番しっかり聴けるようにってのを基本に心がけてみたつもりです。
歌のあるところは当然ボーカルメインに、ソロや間奏のところはそのリードのパートをフェーダーであおってるんですが、まぁ定期審査はリハがないのでギターソロの場所は音源の聞き込みで知ってたとしてもどっちがやるかは聞いてみないとわからないので、まぁ音出してみるときに本人に聞いてもいいんですが、じっくり見ながら聴きながら判断してやってます。
今回なるじぇいさんの鳴瀬さんのソロのときなんかは、このギターはここでがっつり聴かせるしかないだろこれは!と思ってかなり思いっきり上げてます。
生音がいいバンドはPA通しても音がいい
見出しの通りなんですが、PAを通す前のドラムの生音やギターやベースのアンプの音がよくて、生音の時点でバランスがいいところって、ほんとにミキシングしやすいと思います。
で、やりやすいので当然結果出てくる音もよくなりやすいっていう。
さっきも書いた、3月のアドバン追いコンライブのときにレッチリやってた方とかバンプやってた方とかカムバックキッドやってた方とか、あと先月の学祭のメインステージでやらせていただいた方では、特にSLADSLAGさんとかとか……
いやSLADSLAGさんとかまじでバンドの音よくて超やりやすすぎてすごい気持ちよかったです。
で、たまにギターアンプ超でっかいときとかに遭遇するんですけど、教室とかでやってるともうこっちでフェーダー上げ下げしてもなんも効くないんですよね。
しかもそれに加えて上が超ギンギンでハイ切ってもぜんぜん効いてないとかたまにあったりして。
そういうときはいちおう言いますけど、あんまり変わらないかなってときは時間もそんなにないことだし、それはそれでまぁなんとかするかって感じにしちゃうんですが。
まぁもともとそういう音を出したくて出してる場合もあるでしょうしね。
ベースも同様ですけど。
それで、ギター同士の音、またギターとベースや各アンプとドラムとか、生音の時点ですごくバランスがいい方って、それ拾ってそのままのバランスで出してあげるだけで、けっこういい感じの所まで行ってしまったりして、そういう方のオペってすごくやりやすいって思うんです。
スタート地点からバランスが取れるところまでが速いので、そこから先がやりやすいですし。
多少音がでかくても全体的にバランスが取れてれば、むしろ逆に全部出したときの音圧がぜんぜん違う感じがして。
今回でいうならERRORさんとかとか。
でかすぎはでかすぎでボーカル聞こえなくなるので行き過ぎはあれですけど、元が小さいのをPAで上げてもなんか音圧が出ない感じがするんです。
まぁギターとかは自分の音はモニターよりアンプで聴きたい感じがするっていうか、やっぱアンプの音が聴こえてないと弾きづらいでしょうしね。
生音の時点でバランスがよければ、外音だけじゃなくて中音の方も、モニターで無理しなくて済むのでモニ卓さんも演者さんもやりやすくなるんじゃないかと思いますが。
Eliとかあんまり無理に大きくつっこむと、べたーって音がつぶれて張り付いた感じになっちゃいますしね。
まぁいいモニターはそういう解像度もいいんでしょうけど。
卓のミキシングにしてもアンプのセッティングにしてもほどほどのところがあるんでしょうねきっと。
では、まだまだ次回に続きます。