東横線・渋谷駅 Final approach ~かまぼこ屋根 最後の記録~
今日の1曲: アイ (弾き語りVersion) / 秦基博
おはようございます。
春眠暁を覚えずを言いますが春に限らず1年中原則的に眠いXIAORINGです。
4月になり2週間が経ちました。
日によってはけっこう暖かくて、ゴールデンウィークの頃を思わせるようないい天気な日があって、そんな日は (仕事中を除いて) とても気分がいいですね。
今日は東急東横線特集。
先月の見納めイベントのレポートをお送りいたします。
東横線渋谷駅の見納めにいってきました
3月16日、東横線・副都心線の相互直通運転開始に伴い、東横線の渋谷~代官山の区間が地下化されました。
そのため、今まで使われていた東横線・渋谷駅の建物は、1964年以来49年の歴史に幕を閉じました。
そこで、もう見ることのできなくなってしまう東横線渋谷駅の様子をしっかり記録に残しておこうと、地下化直前の3月9日土曜日、見納めに行ってきました。
画像引用: プロジェクト概要 | 渋谷つながるプロジェクトより
今まで使われていた渋谷駅は地上2階にホームがある高架駅。
そこから高架で渋谷川とJR山手線を越えて、上り坂に沿って代官山駅へ向かって行ってました。
これが、代官山駅のところから地下にトンネルを掘り進め、先に開業していた副都心線の渋谷駅まで地下線で直結する形になりました。
渋谷駅 外観
渋谷はJR・東急・京王・東京メトロの各社が乗り入れてますが、東急の東横線はJRの東側、明治通り側に駅がありました。
明治通り側の歩道橋から、東横線渋谷駅の外観。
右に見えるのは東京メトロの銀座線です。
改装工事によって1964年5月16日にこの駅舎が完成。
かまぼこ形の屋根がシンボルでした。
(参考: かわりゆく渋谷駅 | 渋谷つながるプロジェクト)
南方向を向いて。
東横線渋谷駅は、首都高3号渋谷線と国道246号線に上下に挟まれた形になっていました。
屋根の上を左右に渡っている橋が首都高です。
かまぼこ屋根と停車中の東横線5050系。
完成から半世紀近く経っても色あせることのない、美しいデザインの屋根でした。
今でこれなら、きっと完成当時は相当先進的な印象だったことでしょう。
これで渋谷を通る東急の電車は全て地下になってしまいました。
改札口
続いて駅の中の様子。
こちらが正面口。
JRの中央改札・銀座線の改札のところからJRの線路を渡ったところで、JR・銀座線・井の頭線から東横線に乗るときは、だいたいここからでした。
正面口を入ったところには、先発の電車の停車駅がこのように点灯している案内板が特徴的でした。
井の頭線渋谷駅にも以前こういうのがありましたが、東横線のこちらも今回の地下化で消滅してしまいました。
改札の外には、発車案内がこのように5枚のディスプレイで表示されていました。
都内や近郊で見れる発車案内は多くがLED式で、こうやって何枚ものディスプレイが横にズラッと並んでいる光景は、とても珍しい存在でした。
京王でもここ数年で液晶ディスプレイの発車案内が整備されていますが、このように多数のディスプレイを使って、1枚のディスプレイに1本の電車を表示しているのは、東横線渋谷駅ならではという感じでした。
そして南口はこちら。
JRの新南口
ホーム
続いてホーム。
終点側から代官山方面を向いて。
広い空間に4面4線の頭端式ホームが並び、これぞまさに都心のターミナル駅!という美しい景観が好きでした。
1・2番線、3・4番線の2組で乗車ホームがあり、2・3番線の間と4番線の奥に降車ホームがありました。
ホーム配置は、
|======== 1番線
1・2番線乗車ホーム
|======== 2番線
2・3番線降車ホーム
|======== 3番線
3・4番線乗車ホーム
|======== 4番線
4番線降車ホーム
というような構造でした。
東側の端にある1番線。
1番線だけは降車ホームがありません。
1番線と2番線の並び。
こちらがお隣、2番線。
2番線と3番線の間に降車ホームがありました。
こちらが3番線。
手前が3番線で1本奥が2番線。
間にもう1面、降車ホームがありました。
3番線と4番線の間。
急行渋谷行きが4番線に入線するところ。
こちらが4番線の終端部分。
1・2・3番線に3本並んだ東急車。
何本もの電車が整然と線路に並ぶと、貫禄あるターミナル駅の姿!…という感じで、美しくもありかっこよくもある姿を見せてくれました。
天井部分はかまぼこ屋根の形そのままにアーチ状になっていて、三角形が敷き詰められたパターン。
下から見上げる天井も、これまた美しい。
ホーム上の駅名標。
直通開始で渋谷の次が明治神宮前<原宿>になったので、このように隣駅の表示が代官山側しかない駅名標は、もう見れなくなってしまいました。
グレー背景に白文字という東急の駅名標もなかなかかっこいいなあって思います!
ホーム・先端寄りから
次はホームの一番先頭側へ。
渋谷駅のホーム先端から、代官山方面。
各停渋谷行きがポイントを渡って渋谷駅に到着しようとしているところ。
3番線から特急の発車シーン。
かまぼこ屋根はホームの途中までしかなく、前よりの2両ほどは屋根がありませんでした。
こちらは4番線へ入線。
屋根があるのはここまで。
振り返って、屋根のギリギリ切れ目あたりから奥の方。
渋谷駅のホームはカーブを描いていました。
線路の奥に見えるのが車止め。
もう二度とここに電車が到着することはありません。
ホームの先頭車両部分はけっこう幅が狭く、またこのくらい車両との間が空いていました。
4番線から発車を待つ5050系。
まもなく出発する車内から代官山方面。
代官山駅
渋谷駅をひととおり見納めした後、代官山へ。
ちょうどここから地下へ潜っていく地点で、まさに工事中の区間です。
工事中の代官山を走る電車たち。
地下化後は、この場所から写真の奥方向へ向かって、地下に潜っていく形になっています。
絶賛工事中なので代官山のホームも仮の姿といったかんじ。
頭上を電車が走る直下で地下線を建設するという、東急建設の「STRUM工法」という工法で工事がされてたようです。
隣に仮線を敷くスペースが取れない場所でも、電車の運行を止めることなく営業路線の真下で工事できて、切り替え当日は終電から始発までの一夜の間に一気に切り替えるという技術だそうです。(すごい!)
ちなみにこちらは中目黒のホーム上の発車標。
このように渋谷行きが並ぶのも、懐かしの風景となってしまいました。
代官山から渋谷方面への工事区間
次は代官山から渋谷方面へ、地下化してしまう区間を少し歩いてみました。
道路が下り坂になっているところから、東横線は高架橋になっていました。
このあたりはもう二度と電車が通ることはなくなってしまいました。
この先で左に急カーブして渋谷駅へと向かっていきました。
地下化で廃止となった踏切
この新しく地下になった区間に、今回の地下化で廃止になった踏切があります。
それがこちらの、渋谷1号踏切道。
切り通しの坂を下ったところにあった、小さな踏切です。
これで役目を終える踏切を、最後に駆け抜けていく電車たち。
カーブしている奥がちょうどトンネルの出口で代官山駅となります。
こちらの向こうが渋谷方面。
JRを跨ぐトラス橋
坂を下りきったあたり、東横線は橋でJRの線路を越えていきます。
この橋で東急とJRがクロスするシーンも、これで見納めとなってしまいました。
東横線とりんかい線の最後の共演。
そして、東横線と成田エクスプレスの最後の共演。
こちらは湘南新宿ラインと。
この橋梁もまた歴史ある橋だったことと思われます。
9000系、最後の勇姿
この日は渋谷駅と地下化区間がメインの予定だったんですが、なんと偶然にも、3月15日の直通運転開始で東横線から姿を消してしまう、9000系に乗り納めすることができました!
9000系トップナンバーの9001F。
渋谷から折り返してくるところを、先ほどの踏切で。
これが見納めとなりました。
9000系のデビューは1986年。
ちょうど僕と同い年でした。
東急の車両で初めてVVVFインバータ制御装置・かご形三相誘導電動機・ボルスタレス台車を標準搭載。
当時の東急車輌の最先端技術が投入され、現在の通勤形車両の技術発展に大きく影響した車両といえるでしょう。
長い間、お疲れさまでした。
さいごに
ここに載せきれなかった写真も含め、この日に撮ってきた写真は、こちらのページに大量に上げてあります。
また、地下化で見納めとなる区間を動画でも撮影してきました。
特急 元町・中華街行き、渋谷駅から代官山を通って中目黒まで。
そんなかんじで、今日は東横線の見納め特集でした。
先月はあと小田急の下北沢地上駅の見納めも行ってるんですが、そちらはまた後日。
ありがとう 東横線渋谷駅
2013年3月