改めてCMP2008メモ
今日の1曲: RIDEBACK / MELL
こんばんは。
最近バイト先でFilemakerをいじりはじめたXIAORINGです。
昨日のを見た方は、「ここ、まじめにやってんの?」って思われた方もいると思いますが、うちはサウンドデザイン、サウンドアート、音楽産業、サラウンドなどメディアコンテンツにおける音楽や音響についてまじめに研究している研究室ですので、ご安心をw
今日は改めて、昨日のコンテンツ音楽プロジェクト2008の最終発表を見て、自分的メモを書いてきます。
僕はいちおうMaxとかサラウンド関係とかをやる予定ですので、そっち方面を中心に。
5.1サラウンドコンテンツにおける音響処理手法の提案
- プラグインの世界標準WAVESでは、プラグイン数は、ステレオの71個に対して5.1は10個と少なく、5.1制作をするにはプラグインが少ない
- Max/MSP、Pluggoで5.1chのVSTプラグインを制作
- NUENDO 3で検証
- WAVESの360シリーズなど既存の5.1のものは、整音用がほとんどで、演出用は少ない
- サウンドトラック型Mix、音場創造型MixにはDelayが効果的 → Delayのプラグインを制作
- 仕様
- Mono、ST、5.1の3種類のInputソースに対応
- 5つのモジュールに同じようにパラして、それぞれ独立してDelayをかける
- 5つのモジュールを直接それぞれのスピーカーに出力
- 5.1chでFxバスを作成、プラグインをFxバスにインサートし、ソースのchからSendでそのバスに送る
- Max/MSPでパッチとGUI制作
- 検証用コンテンツ
- サウンドトラック型: 映画「カラマリツナガル」
- 音場創造型: 自作曲「floes flows」
- インタビューから得た今後実装した方がいい機能
- プリセット
- チャンネルリンク
- パラメータリンク
- 今回のDelayは演出、操作性含め5.1コンテンツ制作に有効
- 5.1プラグインエフェクトはまだ開発の余地あり
- ちなみに、NUENDO 4だと長時間の使用や複数の使用で落ちることがある。Pluggoの問題?Cubase 4の方が安定する
上下方向を含むサラウンドコンテンツの制作手法の提案
- 5.1では上下方向がない平面で、セリフと足音は同じ高さから出ている
- セリフを耳の高さ、足音を下のスピーカーから出したらどうか
- スピーカーの配置
- トップは5.1にリアセンターを加えた6.1
- ボトムはL, R, Ls, Rsの4つのスピーカーの下にボトムスピーカーを4つ配置
- ボトムスピーカーの天地
- ボトムは天地逆にして、ツイーターを下にして置いた方が、より足下で音が鳴っているようにきこえる
- ボトムの前後での音量バランス
- ボトムの4つを同じ音量バランスでパンニングすると、パンナーで動かしたとおりの聞こえ方をしない
- 「直線LRの中点と自分との距離」>「直線LsRsの中点と自分との距離」であるため
- ボトムLRの音量を+6dBすることで、実際の動きに近く聞こえるようになる
- LFE
- ボトムスピーカーだけでは、足音を出しても足音が宙を浮いて歩いてるように聞こえる
- LFEを使うことで、体重がある感じを出して改善
- 真後ろからのセリフ
- ファントムリアセンターよりハードリアセンターの方が、セリフがより真後ろで喋ってるように聞こえる
上下方向を含むサラウンドコンテンツ制作における効果的な音響処理の研究
- 5.1パンナーはあるが、上下方向もできるパンナーがない
- Max/MSP、Pluggoで上下もできるパンナーを制作
- 検証を通して上下サラウンドの問題点を明らかにする
- スピーカーの配置
- トップは5.0にリアセンターを加えた6.0
- ボトムはL, R, Ls, Rsのスピーカーの真下に4つスピーカーを配置
- さらにLFEをボトムに置いた、10.1chシステム
- パンナーの仕様
- XYZ軸の3軸情報
- XYパッドでXY軸同時操作
- フロントセンター、リアセンターの使用比率
- LFEのレベル
- パンナーを使用して検証、アンケート結果
- 上下の定位
- 音の定位が下になるほど、正確な高さと定位が分かりにくい
- 特に下の前の方になるほど意図した場所と違う場所から聞こえる
- フロントのボトムのLRを+6dBするとちょうどいい
- センターの定位
- ファントムセンターとハードセンターでは上下感がことなって知覚され、高さが違って聞こえる
- センターをLR、LsRsの定位の補強で使うと、上下感に影響を及ぼす
- 上下の定位
- 上下が含まれると、従来のような音量比だけでは定位感を表現しきれない → パンナーに定位補正機能をつけることで実現できる
- 空間の演出をできるもの――エコーとか――が今後効果的では
サラウンドミックス手法の研究 ~リアスピーカーの活用方法を中心に~
- 5.1chでのリアの活用方法
- DVD映画を見て調査、5.1Mixを作って実験
- リアスピーカー活用の3つのポイント
- 音楽の演出
- BGMをLRだけでなくLsRsからもだすと、音楽で包み込む印象
- 空間の表現
- 環境音をリアに
- 音数が多く、他に聞かせる音が多いほど、環境音は後ろに行く
- Reverbをリアに
- 動くものの演出
- 前後左右の移動、画面外からのキッカケ
- 音楽の演出
- 実験とアンケート結果
- BGM
- 後ろから or 後ろ1/3から出てると包み込まれるような印象
- 環境音
- BGMと同様
- Reverb
- 同じ量でも、後ろにRevを感じると、空間が広く感じる
- 動き
- 69%がサラウンドの方が臨場感を感じるが、31%はステレオの方がいいという
- BGM
その他、こうした方がいい系
実験をやるとき
- 音を流す間に説明している声が、イントネーションとか言葉が毎回同じでないと、誘導が起こる可能性がある
- 説明を録音しておいて流すとか
- 待っている人が前の人のを聞いてしまうと、前もって印象ができてしまう
- ソファーを後ろ向きにして、ヘッドフォンのディストリビューターで音楽を聴いてもらうとか。しかも全員同じ曲がいい
- イスが回転する、あるいはイスが途中で動いてしまうと、聴く位置が変わってしまう
- キャスターがなくて回らないイスを使い、位置をバミる
- 頭の位置、向き、また前を向いているときと下を向いているときでは、聞こえてくる方向が変わってしまう
- 目線の目標として、ディスプレイを使う、壁に印をつけておくとか
- 印象評価するときは、定量的なデータが取れた方がいい
- 印象の言葉の選択肢から選ばせるより、それぞれの印象についてどれくらいあてはまるかを、5段階とかで評価した方が定量化が簡単
全般的に
- 何を目的として、結果何が分かったか、それが重要
9日目/?日終了
んー、とりあえずメモはこのくらいで。
あ、いちおうCSS Niteとかそういう系のセミナーに行ってるようなブロガー…というかWeb業界で働かれているプロの方とか、よくこういうセミナーのメモ的なのを上げたりしてるのを拝見したことがあるんで、そういうのをまねしてやってみたんですが、もしこういうのあげちゃまずいようだったら、言っていただければただちに消しますので。
では今日は以上!